果たして人間の欲求は

パゾリーニ・コレクション ソドムの市 (オリジナル全長版) [DVD]

パゾリーニ・コレクション ソドムの市 (オリジナル全長版) [DVD]

  • サドの小説が原作となったパリゾーニの映画。ああ、後味の悪い!人が痛めつけられていく姿は時として美しくもあるけれど、この映画に関しては「生々しい」の一言に尽きる。そして毎日の食事や結婚披露宴のディナーとして出される人糞。非道な四賢人の性的快楽から、果てはファシズムの縮図として執り行われる食糞。この世界においてはもうスカトロはセックスの延長でもあり、権力の行使でもある。気の弱い方は見ないほうがよくってよ。


人生解毒波止場

人生解毒波止場

  • 根本敬の名作、この著書に自分の陰茎を包茎手術した後の包皮を食べるという内容を含んだインタビューがある。それを実行したのは観念絵夢という、元AV男優なのだが。本人は自分のことを日本一のマゾヒストと公言している。とにかく痛めつけられ、なぶられる事で自分は昇華する、らしい。しかし彼の変態性や偏執ぶりは、自分の包皮にとどまらず当たりまえのようにスカトロにも発展していくのだが、彼に関しては何の情感も感じ得ない。ただのキチガイの見本としか感じない。彼独特の持論、哲学、人生観などは、自分の偏執性を正当化する机上の空論にすぎない。…嫌いなのかしらねえ。


佐川君からの手紙

佐川君からの手紙

  • 佐川一政は時として「劣情のみでなく、ルネへの狂おしい愛情の行く場所として食人を行った」と言われがちであるのだが、この本や他の参考文献などを見る限りでは…ただの変態性欲が高じて「食べたくて食べた」ようにしか感じられない。自身の著書にもそれが顕著にあらわれているものが多い。「人を食べたい」という欲求は性から派生する物であるとしたならば、極限状態の本能というのはなにがメインで出来ているのだろう?