あけましておめでとうございます。

longvacation&LIFEです。
昨年中は大変お世話になりました。
今年も二人の予定を合わせるのが難しく、更新もままならないこともあるかと思いますが…
昨年同様宜しくお願い致します。


近々私の読んだ本の感想なども交えて更新を予定しております。

平たいまま渇望する憐

「ああ!」やっと合点がいった。
そうかそうか…私は身動きが取れないまま男の素手で叩かれているの。
また、しょうこりもなくこの状況がおかしくてたまらず思わずけらけらと声をたてて、
ああ実際には口に咬まされている布のせいで声は出ていないのだろうけども…ともかく私はおかしくなって笑っている。
男がくすくすといつまでも笑い続ける私に腹を立てたのか、私の体に鈍痛が走る。
この男はおかしいのだろうか?
酒の酩酊でけらけらと笑う女を許さないばかりか、折檻してくるなんて。
そんなことをされてもすぐには酔いは醒めない。そんなこともわからないのだろうか。
そうそう!確かあの時も私は酔っぱらってしまったの!
ねえ、聞いて。あの時の事だって私はちゃんと覚えている。
金沢へ旅行に行った時。
あれはおかしかったわね。私は紅葉を愛でると言い張って外出したのに、することと言えば地酒を探す事ばかり。
あなたはうんざりして顔が赤く照っている私を旅館まで連れて帰ったの。
…あの時だったかしら?月見酒をしたのは。
いや、そうではないはずね。私は酔いつぶれてしまってそのまま寝たのだもの。
浴衣の帯がはずれてしまったものだからね、あなたが私の手首に巻いたのよ。
そうだわ。ずっと聞こうと思っていたの。あれはどういう遊びなの。
子供の時のような人質ごっこなら私は何も楽しくはないのよ。
身動きのとれない私に何をしたって、酔いつぶれているんだもの。覚えていないし。
もしかして、あなたは昼間から酔いつぶれて滅茶苦茶になった旅行の仕返しをするために私をしばったの?
そうなの?
それなら納得がいくわね。だって、私が悪かったのだものね。
ぐちゃぐちゃと音がする。
…ああ、どうして私ってこうそそっかしいのかしら。私は口に布を咬まされているってさっき思い出したのに!
じゃあ、今まで話した旅行の思い出もあなたは理解してなかったの?
やだわ。
そうした後、彼は泣きながら私の尻をなで始める。
だんだん分かってきた。私は身動きのとれない中、素肌を晒されて男の素手でばしばしと叩かれた。そしてその個所は皮膚の感覚がなくなりむしろ痺れがむず痒さにかわり。
そして麻酔を打ったように肥大した感覚のまま。
下腹部が肥大したようにこれまでに味わった事のない感覚は、そういえばいつもの太ももの内側をそわそわと撫でられて体の芯を熱が貫いた時と似ている。
酔っぱらっているせいであるのだろう。これは何かに似ている。
泣きながら叩き、拘束され叩かれる私たちの様子はまるで性交に似ている。

さあ、これらの本ですが…

  • わたくしも現物は知らないのだけれども、40年前にこんな雑誌が刊行されていたそう。それを渋澤龍彦が責任編集したものと聞いたら、買うしかないでしょう。「およそエロティシズムを抜きにした文化は蒼ざめた貧血症の似而非文化でしかない」と宣言し、始まるこれらの本。各著名人のエッセイや詩も貴重なので注目して頂きたいのだけども、貞操帯のグラビアが秀逸だったとわたくしは思う。「鍵のかかる女」と題された白黒のグラビアなのだが、そのフレーズにもにやりとしてしまうところがある。「鍵のかかる女」!なんてバカバカしい発想!しかし、古来から男の独占欲と嫉妬で煽られる劣情などの本能と文化がまざりあった、この道化の器具。これを実際に女が付けている様はまさしく「興じている」ようにしか見えない。女というものはかくも諦観と美しさが比例するものか。一見の価値有。

中秋の…:LIFE

秋ですから。本を読まなくてはね。

血と薔薇コレクション 1 (河出文庫)

血と薔薇コレクション 1 (河出文庫)

血と薔薇―コレクション〈2〉 (河出文庫)

血と薔薇―コレクション〈2〉 (河出文庫)

そのようなところでした。

きれいな店を探すなら、メインの二本の通りに出ればいい。
安くあげたいなら、路地裏をうろうろいすればいい。色町の鉄則そのままの町だった。
でも、やはりそこは歴史なのかしら、街に違和感がないというか…
下校途中の中学生なんかも、なんの疑問もなくお店の前で信号待ちをしている。
理解しているわけではないのだろうけど、疑問を持ってもいないのだろう。
わたくしが感じた平常感は、街が少し諦めているようなかんじなのかもしれなくて、
それは春を売る店以外の、飲食店や商店や民家やマンションから漂ってくる。
もうこの街はこうやって時間を重ねていくのだなあ、ずっと。と思うよりない。


今回は明るい時間にしか行けなかったけども、次は夜に行ってみようと思う。
ネオン華やかな吉原は諦観も何も見せないほど、明るいのかしら。と考えてみたり。

吉原探索:LIFE

風情

先日、ロンバケさんと吉原を探索に行って参りました。
時間も早いせいもありネオンが煌々とたかれている夜の情緒は味わえなかった物の。
それはそれでそこはかとなく廓の雰囲気も楽しめて…おもしろかった。
今日はつらつらと吉原のことでも書こうかしらと思う。

  • 街の匂い

これは本当の匂いのこと。雰囲気と言ってもいいのかもしれないけれど…昼間の吉原はすでにほとんどの店が営業しているのでとてもいい匂いがする。各お店の浴槽と洗い場(仕事部屋)からやってくる、家庭のお風呂のような匂い。狭い路地に入ると尚の事、換気扇から石鹸のいい匂い。色町にありがちな下水くささが全くなくて気分がよかったわ。

  • 男衆

昔は妓夫などと言ったのだろうけども、店の前には男が一人ずつ立っていてなんとなく街を緊張させているような…吉原では客引き・ポン引きの類は全て禁止。呼び込みのできない男たちはスーツで入り口に無言で立っているの。凄然と男たちが狭い間口の店の並びに立っているのは圧巻だったわ。だって、ねえ。みんないかにも水商売然としているでしょ?若い男の子でも何か凄みを感じるものよ。そして客が一歩でも入り口に立ち寄ったら、どこに隠れていたのか店の中からも男衆がわらわらと出てきて、風体に似合わない丁寧な接客をするのね。店の前に立っているのは何も男衆だけではなくて「ああ、しなくてもいい経験をしてきたのでしょうね」と思われる、おじいさんやおばあさんも立っている。同じく水商売の水に馴染んだわたくしは、そんな方たちに「おはようございます」と挨拶をされるのでおもしろくてしょうがなかった。どの時間でもどの場所でも、水商売は「おはようございます」なのねえ。

  • 料金

ソープランドというのは、あくまで保健所への届出上は「高級銭湯」。なので着衣の女性の写真しか出せないし、料金も性交渉を含むサービス料抜きでの最低料金しか看板には表示されていない。つまり、看板の料金はチャージみたいなものか…看板に出ている限りの最高額は3万円程度。中に入れば諸々でいいところだと8万〜10万するところもあると、男衆の話。長屋のような店がぎゅうと立ち並んでいる路地では、8千円というところも。「…これはヘルスの類かしらねえ?」とロンバケさんと立ち止まってようく見てみると、ちゃんと「入浴料」と書いてある。まあ、どんなおねえさんが出てくるのかしら、としばらく話に花が咲く。昔で言う大見世の位置に並ぶ高級店の前には、ベンツ・BMWセルシオ・クラウンと高そうな、怖そうな車が並んでいて。運転手はヒマそうに煙草を吸いながら店の男衆と話している。主人が出てくるのを待っているんだろう。それにしても、ああいう世界にある車は黒か白が多いわね。特に黒いクラウンが多かった。

  • おんなのひと

女性は全くといっていいほど歩いてなかったのだけど、たまに出勤と見受けられる女性はみんな何だか老けていて…ぎすぎすした雰囲気の、あまりかわいらしい人たちではなかったの。それもそのはずで、売れっ子の高いおねえさんたちはタクシーで店の前へ直付けするのよね。歩かないから、姿が見えなくて当然だわ…街の中にはソープランドだけでなく「女性専用ホテル」というのもけっこうあり。ここは帰れなくなった女性が泊まるだけのものではなく、フリーでホテトルみたいなことをしてる女性たちが長期で契約しているところが多いようなのね。中には産婦人科と性病科が併設しているホテルもあり、ああ吉原だわあ…と思ったのでした。

縛られることの心持ち:LIFE

感想をいただいた中に、「M性を持っている人の気持ち」が不思議というのがあったのだけど。
なんていったらいいのかしらねえ…
事を「縛られている時の気持ち」に絞ったものが、昨日の作り話だったわけだけども。
痛みが快楽に変わるっていうスイッチは簡単なことな気がするの。
なんていうか…もちろんメンタルな面もすごく影響すると思うのだけど、昨日も書いた、
「申し訳ないような、謝りたいような快感」ていうのが大きい気がするわ。
「こんなことで快楽を得るなんて」という気持ちもあるのかもしれない。
あとは、人に身を委ねるという開放感もあるかもしれない。
「もっとしてほしい」と思ったところで、相手が続けてくれなければ終わってしまうわけだから。
自分がただのものとして扱われる嗜虐感ていうのは、なかなか日常では味わえないものね。
いじめや、嫌がらせなどの悪意があるものは別よ。あれは尊厳を傷つけようとしているものだから。


だからといって、「愛がなければ」なんて陳腐なことを言うつもりはないの。
だって、気持ちいいものは気持ちいいもの。ねえ。
あの時の気持ち、みなさんも教えてね。
サディスティックな気持ちも知りたいわ。こっそり調べようかしら…